更新されるアミノ酸

アミノ酸が体の中で不足してしまった場合に、糖や脂肪のみから、アミノ酸が作られることは全くありません。アミノ酸を構成するのに必要な窒素が、糖や脂肪には含まれていませんので、これらだけで作られることは無いのです。また、20種類のアミノ酸を含んでいる食事を摂ったとしても、体が必要としているアミノ酸の全ての種類を、体に常に十分量満たすとは言い切れません。そうかといって、不足するアミノ酸を、それぞれ自分で判断して、毎回摂る必要があるのかといえば、そんなことはありません。体に必要最低限なアミノ酸を、他のアミノ酸を使って作り出せれる能力が、私たちの身体に備わっているのです。

 

例えば、グルタミン酸が持っているというアミノ基を、それぞれの有機酸に移していく反応を経由し、アラニン、アスパラギン酸、セリン、アルギニンなどが作られますし、アスパラギン酸に、アミノ基がもう一つ結合すると、今度はアスパラギンになり、そしてグルタミン酸にアミノ基がさらに加わるとグルタミンができるのです。その他、メチオニンとセリンからシステインが作られ、フェニルアラニンからはチロシンが作られます。このように、とても多くの数のアミノ酸は、お互いに融通の利く関係になっていると言えるのです。ですから、私たちの身体は、アミノ酸の基本骨格を上手に利用し、必要なアミノ酸が足りなくならないように対処することができているのです。

 

しかしこの働きにも限界はあります。

 

その理由としては、他のアミノ酸を原料として作り出すことのできないアミノ酸が、私たち体の中にあるためなのです。

 

それが「必須アミノ酸」と呼ばれているアミノ酸で、私たち人間の場合には、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、リジン、イソロイシン、ロイシン、バリンの8つ、そして最近はヒスチジンを含む9つ必須アミノ酸と呼んでいます。
これらの必須アミノ酸は、食事などから必要量を摂る必要があります。必須アミノ酸のうち、一つでも不足してしまうことがあると、そのために体全体のアミノ酸の働きが制限されてしまいます。タンパク質が合成されている場所で、必要なアミノ酸が一つでもないだけで、タンパク質の合成は止まってしまうのです。全身的には、早急にはそのような影響は現われてこないのですが、体内にあるタンパク質の分解で供給される必須アミノ酸にも限界がありますから、成長や健康状態の保つためには、食事などからの摂取が絶対に欠かせないのです。

 

自然界に生きる動物たちの肉は、私たち人間の筋肉とほぼ同じアミノ酸比で構成されているので、この動物の肉を一定量摂る食事をしていれば、体の中の必須アミノ酸が不足することはないと言えるでしょう。

 

それとは逆に、日常生活に多く存在する植物由来の食材では、必須アミノ酸が不足する場合があります。各食材の必須アミノ酸が、他のアミノ酸を含めている利用率を制限するものもあり、、その食材に不足しているアミノ酸は制限アミノ酸と呼ばれます。このような食材でも、肉を一緒に食べるようにすれば、肉から補なわれる必須アミノ酸のおかげで、食事全体のアミノ酸の効率が高まっていきます。
一般的な場合には、食事全体の、タンパクに質に占める動物性タンパクの割合が約40〜50%であるのが望ましいと言われています。しかし、これも植物性タンパクの、質によって当然変わってきます。大切なことは、全体的に体に必要な量の、必須アミノ酸が十分満たされているかどうかというものなんです。実際に、肉を食べることの少ない、国や民族でも、元気で長寿な人はたくさんいます。

 

ですから、動物性の肉や植物由来の食材などにとらわれず、必要なアミノ酸を補充していけるように気を付けていきましょう。