スズメバチのパワーの秘密はVAAMにある

スズメバチの強いパワーは、どうやらスズメバチの幼虫が分泌する液体に関係しているようです。スズメバチは、花の蜜などから栄養を吸収しているミツバチと違っていて、小昆虫をエサとする肉食性の昆虫なのです。しかし、あのくびれた胴体を見てもわかるように、小昆虫の体を全て飲み込んで消化する能力は、スズメバチにはありません。小昆虫などのエサは、もっぱらスズメバチの幼虫が食べるているのです。つまり、スズメバチの成虫は、小昆虫を幼虫のエサとして運んできて与えているのです。成虫は幼虫に小昆虫などを与え、代わりに、成虫は幼虫が分泌する液体成分を受け取って生きているというわけなのです。スズメバチの成虫は、幼虫の分泌液だけをエネルギー源にしているだけなのに、約100kmも飛び回っていられるのです。

 

スズメバチの幼虫が分泌した液体がパワーの源

様々な分析をした結果から、スズメバチの幼虫の分泌物には、たくさんのアミノ酸が溶け込んでいる液体であることが解明されています。このアミノ酸組成は、一般的なタンパク質のアミノ酸組成とは大きく異なっています。例えば、グリシン、プロリン、リジンなどが多く含まれているのとは逆に、グルタミンやアスパラギンは平均的なタンパク質に含まれている量よりも、少ないという特徴があるのです。スズメバチの幼虫の分泌液と同じ組成になるように、アミノ酸を混ぜたもの(Vespa Amino Acid Mixture:略称VAAM)をネズミに飲ませて、水泳の持久時間を調べる研究を行ったところ、別のアミノ酸混合物と比べて、飛躍的に持久時間が延びていたそうです。このVAAMについては、血液中の乳酸濃度が低く抑えられ、血糖値の低下が起こりにくくなり、さらに血液の分析結果でも、脂肪の分解が促進されていることも解明されました。健康な人を対象とした実験結果でも、糖や脂質の代謝に関連する血液成分の変化に、脂肪の燃焼による、エネルギーの消費が高まっていたことを示すデータが報告されているのです。乳酸濃度が低いということは疲労が少ないということで、血糖値が低下せずに脂肪の分解が促進されているというのは、エネルギー源として、糖やグリコーゲンよりもVAAMの方が脂肪を積極的に燃焼させていることになります。
このVAAMという言葉は、現在はVAAMがそのまま製品名「ヴァーム」と呼ばれているスポーツドリンクなども出ているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。なぜVAAMのアミノ酸組成が有効なのかについては、まだ完全には解明されていませんが、アルギニンやグルタミンのように、単一のアミノ酸で認められた効果だけでは、説明ができないのですが、おそらく、VAAMの特殊なアミノ酸組成に意味があるのだと思います。

 

VAAMは、持久力を高めるスポーツドリンクというイメージが強いのですが、ダイエットの視点からも評価されてよい商品であるのではないでしょうか。